獒樹(オス)の義犬

獒樹(オス)の義犬
  • 住所 全北特別自治道任実郡獒樹面一帯

物語形式の解説を聞きながら歩くウォーキングツアーコース。
「獒樹の義犬」の精神を継承した教育的テーマの観光地として、多目的広場、愛犬訓練場などがあり、愛犬のためのスポットとして脚光を浴びている。

金ゲインと獒樹の義犬(高麗時代に自分を犠牲して主の命を救った犬と、その犬の忠誠心を称えた主の説話)

約1千年前の昔、高麗時代のコリョンホン(現在の只沙面寧川里)には、金ゲインという人が住んでいた。彼は犬を一匹飼っており、食事のときはもちろん、片時も離れずに犬と一緒に生活し、犬もまた主に忠実さを持って仕えた。

とある早春の日、彼は犬を連れて獒樹の市場に出掛けた。友人と一緒にお酒を飲み、いつの間にか酔いつぶれた彼は、芝生に倒れて深い眠りに落ちてしまった。そして犬は、主が眠りから覚めることを待ちつつ、周りを見張っていた。

そのとき、火事が起きて火が芝生に燃え移り始めた。犬は主を起すためにあらゆる方法を試したが、酔いつぶれた主は一向に起きる気配がなかった。そして燃え移った火が主の隣まで近づくと、犬は近くの小川に走り、全身が水浸しになった状態で数十回も数百回も往復し、芝生を水で濡らした。冷たさを感じた主は眠りから目を覚ましたが、力尽きた犬は主の隣で倒れて死んでしまった。

犬の葬式をあげた主は、このことを忘れないために、犬の墓の前の地面に自分が普段使っていた杖を挿した。杖は長い年月を経て木となり、杖がささっていた土地は獒樹(犬の木という意味)と呼ばれるようになった。